前編～家を継ぐ～決意をした家族が次に決めること-二世帯同居編その1-はこちらから

～土地・建物をどう移していくか～

二世帯住宅を考える際に必ず絡んでくるキーワードがあります。それは『相続』。

親の資産を誰にどのくらい渡していくか、それを決めるだけなら親が元気なうちに決めておけば済むことですが、
複雑で負担の大きい”資産”や”お金”が絡んでくる話なので、計画を前倒しして話し合っていく必要がでてきます。

• 自分たちの現状にあった税金対策は？
• 相続税の条件は？
• 贈与税がかかるのはいくらから？

これらも先に”知識”として知っておけば慌てることはありません。早めに調べたり、税理士など専門家に相談したりする
のもオススメです。
最近では市町村の行政サービスとして、弁護士や司法書士などに無料相談できる窓口が設けられていたりします。

また、当然と言えば当然ですが二世帯住宅を考える親子当事者同士だけで話してはいけません。親の財産を相続できる
権利のあるきょうだいの同意は必須です。
いざ相続のタイミングになった時、二世帯化により段取りされた資産の移転は相続の既成事実となってしまいます。
あとで「私は聞いていない」ときょうだいの絆を傷つけてしまわないよう、前もって納得する話し合いを持つことが
大切です。そして継続的にコミュニケーションをとるようにしましょう。

～あなたの家族に合った二世帯スタイルとは～

親と同居する“住み方”にも工夫が必要です。独り身で親と一緒に住むだけであれば、実家に戻るだけなので
”完全共有型”いわゆる同居で問題ないでしょう。しかし、そこにはあなたの家族がいます。
親の考え方も長い年月をかけて変化していくものです。互いが納得する”住み方”を見つけていきましょう。

では二世帯住宅にはどのような種類があるでしょう。

大きく分けると

「完全共有型（同居）」

「完全分離型（敷地内別居）」

「部分共有型」

の3種類になります。その中でも特に「部分共有型」は分け方次第で無数にパターンがあると言えるでしょう。

「完全共有型」

大家族のようにわいわい賑やかに過ごせたり、ご両親にお子様たちの送り迎えやお世話をお願いしたりしやすくなる半面、
お互いのプライバシーに対する価値観や配慮が必要となり家族の一体感が求められます。

「完全分離型」

お互いのプライバシーがしっかり守られた中で、同じ敷地にいるという安心感を共有でき、必要な時にすぐに行き来できる
反面、「一緒に住んでいる」という価値を感じるためには、庭や駐車場を共有したり動線の重なるポイントを意識的に設けて、
無意識に顔を合わせることができるポイントを作っておくなど、後々「二世帯にする必要があったのだろうか？」と不満に
変わる瞬間が生まれないように工夫が必要になるかもしれません。

「部分共有型」

2つのパターンの中間といえる住み方です。お互いの関係性に合わせて、
「玄関のみ共有」
「玄関とリビング・キッチンのみ共有」
「玄関・リビングと水廻り（キッチン・お風呂・トイレ）を共有」
と選択肢は広がります。重要なのは決定の前にどこで線を引くかがこのタイプのポイントになってきます。

いずれにしても同居する前、リフォームする前に互いの関係性やこれからの生活をしっかり話し合わないと「どのような形で
一緒に住むか」の答えは出ない、二世帯住宅は実現しない、ということになりますね。

また、ここでの選択はリフォームコストにも大きく影響します。完全共有型ならほとんどの場合キッチン・トイレ・お風呂
などの水廻りは1セットで済みますが、完全分離型では親世帯・子世帯それぞれに住まいの設備は一通り必要になります。
さらに玄関やそこに至る動線にも階段などのリフォームが追加でかかる可能性が出てきます。

ここまで挙げると、二世帯リフォームの道は遠く険しい…となりそうですが、他の家族では後回しになりがちな
「相続の話」や「将来の家族のあり方」を早期に話し合えるメリットは非常に大きいと感じます。
これは遅かれ早かれ、いずれ必ず通らなくてはならない道だからです。

皆さんがご両親としっかり話し合いを重ね、素敵な二世帯リフォームを実現されることを願っています。

設計ショウルーム“シェリールリコデコ”は沖縄の世代交代リフォームと住宅リノベーションのニーズにお応えすべく
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